40代ミニマリストが猫(衰弱状態)を預かった話|第4幕|「通院」

獣医「症状としては、もう末期の状態です。FIPの本格的な検査や治療はできますが、治る見込みは低いでしょう」

私「先生…この子は、あとどれくらい生きられるのか、分かりますか?」

獣医「食事を取れるか次第ですが、ほんと、長くは持たないですね」

2023年5月3日、突然我が家に猫がやってきました。しかも衰弱した状態で…。

こんにちは。 猫派のミニマリストYAITAです。ライター兼ブロガーとして活動しています。音に過敏反応してしまう“聴覚過敏”を抱え、作業の全てをiPadだけで行う40代オジサンです。

突然ですが、我が家で猫を預かることになりました。

猫は、自力でご飯もお水も飲めない衰弱した状態。もちろん私に獣医や医療の資格・知識はゼロ。GWで病院は開いておらず、こちらもお手上げ状態。でも、放っておけない。

「元気になるまで、うちで預かります」

5月6日の土曜日『40代ミニマリストが猫(衰弱状態)を預かった話』。

第4幕です。

40代ミニマリストが猫のお世話|3日目

キャリーケースの中で寛ぐサイベリアン?さん

獣医「詳しく検査してみたいと断定できませんが、血液検査の結果から予想するに、おそらく“FIP”という猫コロナウイルス感染症のドライタイプです。……もう、長くはないと思って下さい」

私「え?その病気は治せないんですか?」

獣医「治らないと思って下さい。まだ具体的な検査に入っていませんけど、FIPだと入院や検査、治療に高額な費用が伴います」


2021年7月、川で溺れている子猫(生後1ヶ月程度)を義父が偶然見つけ救出し、義父の家で飼うことになった猫。義父は「サイベリアンだ」と言いますが、恐らくミックスでしょう。

2023年5月6日、もうすぐで約2歳になるサイベリアン?な猫は、長く生きられない現実を叩きつけられました。

生きようとしている目の前の命を救えない。

想像を上回る最悪の結果に、頭が真っ白になります。

異変

昨日(5月5日)はほとんど寝て過ごし、食事はチャオチュール以外ほとんど受け付けない状態でした。せめてご飯を食べて欲しいと、総合栄養食のウェットフードを1袋の半分与えたところ、皿に半分残した状態でベッドに。

約5時間後の23時、猫が嘔吐。その後も数時間おきに嘔吐を繰り返し、胃液を履き続ける状態に。目からは濃い赤色の涙を流し、預かった初日状態へと戻ってしまいました。

猫用グッズを買ったペットショップに病院が併設されており、GW中も開いているとを知った私は、オープン時間と同時に電話で救急の相談。快く快諾してもらい急いで病院へ。

出かける前にチャオチュールを少し与えますが、移動中の車内で嘔吐。車で行けば5分もかからない道のりが、今日に限ってはとても長く感じました。

到着

キャリーケースを持っていなかったので、受付後にキャリーケースを購入。

問診・血液検査・レントゲンを行い、結果を待つ間は「何なら食べてくれるのか…」と店内を物色していました。そして、冒頭でお伝えした事実を突きつけられます。

下記は、実際の血液検査結果です。

病名:FIP(猫伝染性腹膜炎)

FIP検査を行ったわけではありませんが、検査した上で出した結論が“FIP(猫伝染性腹膜炎)”という病名で、猫コロナウイルス感染症です。

うちのサイベリアン?さんはドライタイプで、臓器周囲に化膿性肉芽腫(かのうせいにくげしゅ:しこりのようなモノ)ができます。

ドライタイプの特徴として、目から赤い涙を流したり、目の周りが腫れたりといった症状があり、うちの子にも該当します。

また、FIPにはウェットタイプ(お腹にお水が溜まってしまう症状)もあり、お水で腹部がタプンタプンになるそうです。

今の時代はペット保険等のサービスもありますが、ワクチンも去勢もしていない猫。当然ながら、保険等も未加入です。

実は、今年1月頃にも衰弱していたサイベリアン?さんですが、その時も赤い涙を流していました。

あの時、“これはおかしいから診てもらうべきだ”と主張していれば、そもそも、子猫の時点でワクチン接種等を義父に提案していれば…未来は違ったのかもしれません。

FIPは伝染性の病気のため、他の猫に感染する可能性があります。そのため、同じ家で複数の猫ちゃんを飼っている家では、感染に注意して下さい。

治療

「この3日間まともに食事できていませんので、せめて点滴をお願いします」と提案し、今日と明日2回の点滴治療を受けることに。

他にも、腎機能を改善させる薬と、吐き気を抑える治療をしていただきました。

点滴治療で痛がる猫を押さえつけ、なだめる看護師さんと妻。その間、別室でレントゲン写真の結果を見せてもらいながら、医師の口から「もう助からない」こと、記事冒頭の会話をします。

笑顔

会計順を待つため、ペットショップ内のテーブルにキャリーケースを置き、椅子に座りつつ猫を眺める。蹲る猫の顔をケース越しから撫でつつ店内を見渡すと、周囲には可愛い子猫や子犬と戯れる家族の姿と笑顔がありました。

ペット達の無邪気な姿に沢山の人が癒される中、目の奥から熱くなっていくのを我慢できない私だけは、耳栓とAirPods Maxで遮音しつつ、下を向くしかできません。

褒美

どうせなら、ご馳走的なドライフードを買ってあげようとNutroのドライフードとウェットフード、チャオチュールを購入。

帰宅して落ち着いた頃に袋から開けて匂いを嗅がせてみますが、やはり食べません…。

けれど、チャオチュールは1本食べてくれました。点滴の効果があったようです。その後の嘔吐もありません。

明日

明日も点滴治療のため通院しますが、通院後に猫を実家に帰します。最期は、“本当の我が家でゆっくり過ごしてもらいたい”という想いからです。

食べない理由を知りたかった。
赤い涙を流す理由を知りたかった。
何なら食べてくれるのか知りたかった。
元気になってほしかった。
命を救いたかった。

私のお世話は明日で終わり、明後日から、いつも通りの生活に戻ります。

以上、40代ミニマリスト猫(衰弱状態)を預かった話:第4幕でした。