・聴覚過敏って何?どうゆう状態?
・聴覚過敏の特徴や症状は?
・聴覚過敏は何科を受診すればいい?
・聴覚過敏の治療は?
本記事は、ご覧の疑問に向けた内容です。
こんにちは。YAITAです。
2022年11月頃から精神的疲弊によって私生活が送れなくなり、特定の音が大きく聞こえたり、痛みを伴ったりと異変を感じるようになりました。翌月(12月)に入院。
耳鼻科と精神科の両方で精密検査をしたところ、医師からは「精神的ストレスによる聴覚過敏です」と診断され、退院した現在も治療を続けています。
普段はイヤープラグ(耳栓)と、イヤホンを併用して騒音を低減しつつ、大きな音を出す場所へは近寄らない毎日です。
今回は「精神的ストレスによる聴覚過敏」について、私個人の体験をもとに書いていきます。
そもそも聴覚過敏とは?どうゆう状態?
聴覚過敏とは、特定の音に過剰反応し、ひどい場合は痛みを伴うほど煩く聞こえます。別の表現に例えると、今まで気にならなかった生活音が、耐え難い音に聞こえてしまう状態です。
聴覚過敏者の苦手とする音は人それぞれで、高音が苦手という人がいれば、低音が苦手という人もいます。
一例として、私が特に苦手とする音をまとめました。
- フォークやスプーンなど食器が触れ合う音(カチャカチャ)
- ガラスや陶器製のコップを置く時(コトン)の音
- ビニール袋(ガサガサ)の音
- ペーパータオルを使用する際(カサカサ)の音
- ガラスや陶器が触れる(カチカチ)音
- 人の笑い声(性別問わず)
私は主に金属や陶器、紙が触れ合う音が苦手なため、食事の準備や食事中、後片付けの時間は苦痛でしかありません。
逆に、音楽は煩くても平気です。ただし、音楽の中に生活音が入っている場合、聴けなくなるケースがあります。他にも、移動時はイヤホンでポッドキャストを聴いていますが、その際の話し声やBGM、SEは(今のところ)苦痛に感じません。
聴覚過敏の原因
ここでお伝えしたいのは、誰しも聴覚過敏になりうる可能性があるということです。
精神的ストレス
私が聴覚過敏となったケースで、5年に及ぶ介護ストレスが原因でした。
- 私生活がまともに送れない不安
- 介護生活がいつまで続くのかという不安
- 介助の時間が増えたことで収入が減った不安
- 施設に入れるにも空きが無く、いつ空くか分からない不安
毎朝を迎える度「また不安な1日が始まるのか…」と酷い鬱状態が続きました。
耳の中に物理的な傷ができた
耳の鼓膜に傷ができた。耳の中に異変が生じることで、音の聞こえ方が変化するケースもあります。耳鼻科担当医のお話では、精密検査を受ければ分かるとのことです。
発達障害の可能性
聴覚過敏発症の要因は、先天性(生まれつき)のケースも考えられます。最近になって“発達障害“という言葉が世間に周知されてきました。
普通に見える人でも、拘りが強すぎたり、周囲と行動を合わせることが苦手だったりすることで、生きづらさを伴う症状・障害等を総称した言葉です。
一例では「ASD(自閉スペクトラム症)」や「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」などが挙げられます。
専門的な長期の精密検査を受けてようやく「発達障害」と診断されるため、素人では判断が難しいのも問題です。
成人の4人に1人
イヤープラグのメーカーLoop公式サイトによれば、成人の4人に1人が聴覚障害を抱える可能性があると公表しています。日本のみでの結果は異なるでしょうが、4人に1人のデータには驚きました。
私達は普段から、何かしらのストレスを日々抱えています。自身のメンタルや体調を上手くコントロールするため、気分転換や休憩、十分な睡眠時間の確保など、自身に合ったストレスケアが不可欠です。これに併せて、騒音対策にも検討をオススメします。
騒音を低減することが、ストレス低減に繋がるからです。対策は至ってシンプルで“耳栓をする”こと。
聴覚過敏は何科を受診すればいい?
聴覚過敏の原因によりますが、主に2つです。
- 物理的な傷が原因なら「耳鼻科」
- 精神的なストレスが原因なら「精神科」
上述してますが、耳の鼓膜に傷や異常が生じることで聴覚に異変が生じるケースがあります。その際は耳鼻科を受診しましょう。聴覚に関する精密検査を行いたい場合も耳鼻科です。
一方、精神的ストレスが原因の場合、精神科を受診しましょう。
また、発達障害を疑う場合は「精神科」。小さなお子さんの場合は「小児科」を受診し、精密検査を受けられる大きな病院を紹介してもらうと良いでしょう。
聴覚過敏は治る?
担当医に直接聞いてみたところ、精神的ストレスによる聴覚過敏は、ゆっくり時間をかけて治療していけば良くなると言われました。
期間は人や程度によりますが、半年〜数年単位。気の遠くなるような期間をかけてゆっくりと周囲の音に慣れていく必要があるためです。
一方、発達障害に伴う聴覚過敏に関しては、完治するのか分かっていません。
精神的ストレスによる聴覚過敏の治療法
当時は夜間に介護で起きる(起こされる)ため、睡眠時間が日によって大きく異なり、2時間以内の時もざらでした。不安やストレスから、なかなか寝付けなかった自分もいます。
治療法は、とにかく休息。ゆっくり過ごせる時間や十分な睡眠時間を確保し、生活環境を見直します。
気分転換を兼ねた、ウォーキングなどの運動もオススメです。
精神科から処方されているのは不眠症治療薬と精神安定剤で、毎日8時間は寝るようにしています。また、生活サイクルを乱さないよう、毎日のスケジュールに余裕を持たせる様に調整しました。
さらに、ウォーキング(約2〜4km)を生活習慣に取り入れています。雨天時はお休みです。
介護中の親は現在レスパイト入院しており、私個人の時間を確保できるようになりました。今後は施設入所に向けて準備しながら、仕事やブログ更新など生活環境を取り戻しつつあります。
レスパイト入院とは
介護者の負担軽減と、介助者のリハビリや体調改善を目的として、介護施設や医療機関を一時的に利用できる支援サービスです。レスパイトケアとも言います。
私がダウンして動けなくなった時に、この制度を知りました。もっと早くから知っていれば、聴覚過敏を抱える前に対応できたかもしれません。
私と同じく、介護に苦しむ人は多いでしょう。下記に分かりやすく解説したリンクを置いておきますね。
医療法人_医敬会_安藤外科・整形外科医院
「大切な家族のためのレスパイトケアという選択肢」
完全な遮音は治療にも良くない
また、担当医が私に教えてくれました。
ですが、個人的にはオススメできません。
遮音に慣れることで、逆に普段の生活音へ戻れなくなるからです。
なので、少しずつ周囲の音を受け入れ、慣れて行きましょう。
私は治療を始めて2ヶ月になりますが、耳栓とイヤホンの併用生活は継続しています。苦手な音は相変わらず拒絶してしまうほどですが、少しずつ訓練しないといけませんね。
聴覚過敏で困ったこと
私の場合、生活環境や生活スタイルが変化しました。
- ほぼ常にイヤープラグ(耳栓)をすることになった
- 食事の準備や後片付けが苦痛になった
- 食事の時間が増えた
- 掃除中の音が苦痛になった
- 人混みの多い場所に行けなくなった
- 映画館に行けなくなった
- 外食回数が減った
- 大きな音を出す所に行けなくなった
順に解説します。
ほぼ常にイヤープラグ(耳栓)をすることになった
苦手な音を少しでも低減するため、ほぼ常時イヤープラグ(耳栓)を装着しています。私が愛用しているのは下記の商品です。
- Loop Experience Plus
- AirPods Pro
Loop Experience Plus
Loop Experience Plusは、Loopというベルギーの聴覚器具メーカーが販売しているイヤープラグ(耳栓)です。周囲の騒音を18db/23db低減でき、ほぼ常に装着しています。
人の会話音が約50db程度ですので、装着していても会話は普通にでき、とにかく目立ちません。商品自体もコンパクトで、大変気に入っています。
Loopのイヤープラグには種類がありますので、騒音の低減を目的とした人は、Loop Quietをオススメします。私が愛用しているExperience Plusより高い-27dBまで低減できるからです。
Quietを選ばなかった理由
「-27dB低減できるQuietより、なぜ遮音性の低い Experience Plusを選んだ?」と気になった人はいるかもしれません。
理由は、どれ位の遮音性があるのか、正直言って分からなかったんです。なので、-18dB/-23dBと段階的に調整できる方で試そうと考え、選びました。
なお、Loop Experience Plusについてまとめた記事がありますので、気になる人は併せてご覧下さい。
後日、Loop Quietとの比較ができればと考えています。
AirPods Pro
ご存知Appleのワイヤレスイヤホンで、愛用しているのは第2世代です。もう3年以上愛用していますが、まだまだ現役で動いてくれています。
ノイズキャンセリング効果やつけ心地がよく、移動時やLoop Experience Plusで耐えられない騒音の際に、AirPodsで音楽を流して耐えています。
こちらも約3万円と高額です…。
私は基本的にLoop Experience Plusで過ごし、煩い場所ではAirPods Proで音楽を流し対応しています。基本的に、人混みが多くなる時間帯や人が集中する場所には近づきません。
イヤーマフや100均耳栓も
耳に異変を感じた辺りから、イヤーマフや100均で耳栓を購入して凌いでいた時期がありました。
使っていたのは下記です。
- イヤーマフ「Buloge」防音イヤーマフ
- 100均SHOP「セリア」の耳栓
「Buloge」のイヤーマフは、Amazonにて高評価だったので購入。締め付け具合も丁度良く、遮音性も十分あります。見た目以上に軽く、高評価通りオススメのイヤーマフです。遮音値33dbはLoopのイヤープラグ(最大23db)より高く、より遮音性に優れた商品が欲しい人にオススメ。
しかし、大きいだけあって目立ち、持ち運びには不向きです。さらに、装着時の横幅感覚が分からなくなります。例えば車に乗る際、普段のドアの開け具合では通れず、ドアにイヤーマフが当たってしまうケースなどしばしば。
他にも、就寝時には使えません。
次に100均SHOP「セリア」の耳栓は、使い心地も良く“一時的な対策”としてオススメです。
100円(税別)と安く、お風呂の中でも問題なく使えます。セリアでは複数の種類を購入しましたが、1番この商品に落ち着きました。
ただ、グリップ(手に持つ部分)が耳から出るため目立ち、外出時には少し恥ずかしいです。
なお、就寝時には使えません。
食事の準備や後片付けが苦痛になった
食器が触れ合う「カチャカチャ」といった高音が苦手なので、食事の準備や後片付けの時が苦痛になりました。
どうしても音は鳴ってしまうので、イヤホンで音楽を流しながら対応しています。
重症の時は家族に対応してもらい、音の聞こえない部屋に避難していた時期もありました。
食事の時間が増えた
ゆっくり食事を取るようになったので、食事時間が圧倒的に増えました。食事中の音を出したくないからです。
家族が食べ終わる頃、私は約半分程度。
また、食事中はテレビを視聴しますが、イヤープラグ装着中の私には聞こえていません。
テレビ番組に興味が薄い方なので助かっていますが、1つだけ問題があります。
私はTVドラマ「孤独のグルメ」が単行本も含め大好きで、録画して何度も観るほどです。しかし、食事中の食器が増え合う音に耐えられず、じっくり観れなくなりました。
そのため、イヤープラグを装着した状態でTVには字幕を表示しています。
(五郎さんの台詞を聞けない状態では、流石に楽しめませんでした…)
掃除中の音が苦痛になった
掃除機の音や、物を動かした時のガサガサって音が苦手なため、掃除が苦痛になりました。
対策として、外出時にルンバが頑張っています。
人混みの多い場所に行けなくなった
人混みの多い場所に行けなくなりました。主にスーパーやショッピングモールなどです。人混みが多く、子供連れの家族も多いので、比較的人混みの少ない時間帯を狙うようになりました。
それでもある程度の人混みはあるので、家族にお願いする時があります。
買い物袋のガサガサ音対策
私は買い物袋の音が苦手なので、買い物時は買い物籠。コンビニなど少量の買い物ではエコバックを使うようしました。
特に、聴覚過敏+ミニマリストの人にオススメしたいのがEVERLESSのエコバックです。
最初から折り目がついていることで、簡単に折りたため手のひらサイズ。カバンの中でゴチャゴチャせずオシャレで、コンパクトに持ち運べます。開く時、たたむ時も簡単です。
素材はビニールではなく触り心地も良いので、商品をエコバックに入れる時の音も気になりません。買い物袋の苦痛から解放されたので、本当に助かりました。
ただし、定価で買うと高額(約5,000円ほど)です。めっちゃ高いので、メルカリでの購入をオススメします。じっくり探していくと半額以下で購入できるケースもあるからです。もちろん中古品になりますので、気になる人はご遠慮下さい。
映画館に行けなくなった
映画館のような「閉鎖された空間で大きな音を出す環境」には行けなくなりました。担当医から「行かないで」と忠告されているためです。
個人的に映画を観る機会は少ない方なので良かったですが、映画好きの人には致命的でしょう。
外食回数が減った
人混みや騒音を回避するため、外食する機会が減りました。そもそも介護で外に出られないため外食の機会は少なめですが、今までは良い気分転換になっていました。
この点に関しては節約に繋がるため、ある意味助かっています。
大きな音を出す所に行けなくなった
ライブイベントやフェス、花火大会やイベントなど、大きな音が出る場所に行けなくなりました。
映画館同様、ライブやイベント好きの人にとっては一大事かもしれません。
※イベント主催に文句を言うつもりは一切ありません。
まとめ:耳栓を付けるのには理由がある
聴覚過敏とは、精神的ストレスや物理的な外傷、また先天性により“一般の人に比べて苦手な音がある症状“です。
とはいえ、見た目だけで聴覚過敏なのかは全く分かりません。耳に装着している物が耳栓なのかイヤホンなのかも、商品に詳しくないと分かりません。
会話の際「イヤホンをしながら会話するのは失礼だ」と言われた経験がある人もいるでしょう。
しかし、音楽を聴くイヤホンと思い込んでいる物は、“周囲の音を低減する目的”かもしれません。
すぐできる対処法は、“大きな音が出る場所に近寄らない”ことや、“耳栓をする”こと。そして、“医療機関を受診する“ことです。
一方、Loopの様に、音楽やイベント・パーティをより楽しむ目的のイヤープラグなんて商品もあり、耳栓も多様化しています。
騒音も1つのストレス。
聴覚過敏者に限らず、一般の人でも“騒音をケアしてストレス低減する選択肢“はある。ということです。
今回は以上になります。