ノイズキャンセリングに優れたイヤホンが欲しいけど、AirPods ProとMaxの性能差ってどれくらいだろう?聴覚過敏者には効果あるのかな?実際に使っている人の意見を参考にしたい。
本記事は、ご覧の疑問を持った人向けの内容です。
こんにちは。 ミニマリスト初心者(2ヶ月目突入)のYAITAです。ライター兼ブロガーとして活動しています。騒音などの音に過敏反応してしまう症状“聴覚過敏”を抱え、作業の全てをiPadだけで行うiPad大好きオジサンです。
聴覚過敏を抱える以前から、AirPods Proは所有していました。ノイズキャンセリングが備わった高性能イヤホンで、周囲の騒音を低減しつつ快適なサウンドを提供してくれます。
さらにAppleから、AirPods Maxが販売されています。2つのノイズキャンセリングを備え、まるで遠くから音を出している感覚を得る“空間オーディオ”が素晴らしいヘッドホンです。
聴覚過敏を抱えた後、耐えられない騒音に対応できるかも?とメルカリで安く購入しました。
AirPods MAXに関するレビュー記事もありますので、良ければ併せてご覧下さい。
【レビュー】AirPods Maxを聴覚過敏者が使ってみた感想と性能・遮音について
2つの性能差にくわえ、遮音性の大きな違いはあるのか?買うなら、どっちが買いなのか?
遮音性を高める方法は無いのか?と色々と検証してみました。
今回は「AirPods “Pro”と“Max”の違い」について、聴覚過敏の視点から書いていきます。
当ブログの検証は、あくまで私個人が体感した結果をまとめているだけで、科学的根拠などはありません。あくまで参考程度としてご覧下さい。
また、聴覚過敏者が抱える“苦手な音”は、人それぞれ異なります。
聴覚過敏者におすすめなのはPro?Max?

AirPods ProとAirPods Max。二者択一を条件とした場合、“おすすめはAirPods Pro”と判断しています。空間オーディオや音質に関してはMaxが優勢。けれど、本命のノイズキャンセリング性能に大幅な差は無いことと、価格面に倍近い差があるためです。
AirPods Pro | 39,800円 |
AirPods Max | 84,800円 |
バッテリーに関していえば、Proは約3時間〜4時間で、Maxに関してはバッテリー切れを起こした日がありません。Apple公式によれば、AirPods Proは6時間。AirPods Maxでは20時間とあります。
検証:AirPods ProとAirPods Maxのノイズキャンセリングに違いはあるのか
AirPods ProとAirPods Max。それぞれのノイズキャンセリング性能をスタバにて検証しました。
※検証中、音楽やポッドキャストは再生していません。
○ = 問題なく聞こえる(苦手な音も含む)
△ = 微かに聞こえる(内容は聞き取れない)
X = 聞き取れない・聞こえない
AirPods Pro | AirPods Max | |
装着したまま注文・清算はできる? | ○ | ○ |
2席隣の会話が聞こえる?聞き取れる? | ○ | ○ |
4席隣の会話が聞こえる?聞き取れる? | △ | △ |
約10m先にいるスタッフの接客声が聞こえる? | ○ | ○ |
約10m先にいるスタッフ同士の会話は聞こえる? | X | X |
商品を準備する物音や機械音は聞こえる? | ○ | ○ |
店内BGMは聞こえる? | △ | △ |
棚の扉を開ける際の開閉音は聞こえる? | ○ | ○ |
店内空調の音は聞こえる? | X | X |
Magic Keyboardの打鍵音は聞こえる? | △ | X |
Magic Mouseのクリック音は聞こえる? | ○ | △ |
結果としては、2つに大きな違いはありませんでした。ProとMax両方に備わったアクティブノイズキャンセリングに関しては、大きな違いを特に感じません。
AirPods Maxはパッシブノイズキャンセリング(イヤーカップによる物理的な遮音)によって、AirPods Proに比べて曇った聞こえ方になる印象です。
もちろん、スタバ全店舗で同じ検証結果になるとは限らず、座った席や他の利用者によって状況や結果は異なります。
AirPods ProとAirPods Maxのメリット・デメリット

AirPods ProとAirPods Max、私自身が使ってみた体験からメリットとデメリットをまとめました。
AirPods Pro | AirPods Max | |
メリット | 1. 高いノイズキャンセリング 2. コンパクトで持ち運びが楽 3. 通学や通勤時にも楽に取り出せる 4. 目立ちにくい | 1. 高いノイズキャンセリング 2. 長時間でも疲れにくい設計 3. ボリュームの調整や通話時の操作が楽 4. 20時間の大容量バッテリー |
デメリット | 1. 長時間の使用には不向き 2. 激しく動くと落とす可能性あり 3. 携帯ケースとセットで持ち運ぶ手間 4. ボリューム調整できない 5. 充電中には対応できない 6. 小さな傷が付きやすい | 1. 持ち運びに不便 2. 付属のキャリーケースがスマート過ぎる 3. 意外と音漏れする 4. Proに比べて重い 5. あまりに高額。8万円のイヤホンは高い 6. イヤーカップ部分が傷付きやすい |
そもそもイヤホンとヘッドホンという大きな違いはありますが、コンパクトで持ち運びに便利なのは圧倒的にAirPods Proです。Maxは大きく、キャリーケースがイヤーカップ部分だけを保護する仕様で、カバンに入れて持ち運ぶには不便。一応、ヘッドホン全体を保護するケースも販売していますが、更に大きな荷物となります。
そのため、持ち運ぶなら首にかけておくのが1番楽ですが、多少目立ちます。首にかけておけない状況等であれば、なおさら邪魔でしかありません。
とはいえ、長時間の使用に向いているのはMaxです。Proは体感的に3時間〜4時間でバッテリーが切れてしまいます。例えば、ボイスチャットをしながらゲームを長時間楽しみたい人の場合、肝心な所でバッテリーが切れてしまうケースもあるでしょう。
一方のMaxは約20時間の大容量バッテリーです。私も毎日使っていますが、バッテリーで悩んだことは一度もありません。
ノイズキャンセリングや空間オーディオの性能は両者共に文句なく、素晴らしい音楽空間を提供してくれます。
明確な違いは、AirPods Maxは意外と音漏れします。普段からボリューム高めで音楽を聴いている人は注意しましょう。
つまり、自分の私生活に合った製品を選ぶのが、もっとも良い選択です。
遮音を求めるならAirPodsじゃなくても良くない?
「そもそも音楽を聴く目的の製品で、遮音を目的とした視点で検証することが間違っている」と言われればごもっともです。遮音をメインの目的とした製品なら、イヤープラグやイヤーマフを選ぶべきでしょう。
私個人の経験から、Loopのイヤープラグをおすすめしています。
Loopとは、アントワープ(ベルギー)に本社を構える聴覚保護器具メーカーで、私が愛用しているのは“Loop Experience Plus”です。装着時にも違和感なく、周囲の音質を下げずに、騒音を最大-23dB低減できる優れた耳栓。
もっと高い遮音性を求めるのなら、−27dB低減させる”Loop Quiet”もあります。
おすすめする理由は“とにかく目立たない”こと。耳の内側へ隠れるように装着するので、正面から見ると耳栓が見えないほどです。特に「目立たない耳栓が欲しい」という人にはおすすめ!
しかも、通常の会話音(約50dB〜60dB)を半減させるほどの遮音性を備えています。付け心地が良く、長時間付けていても疲れない点も大きなメリットです。私も毎日、ほぼ常にLoopの耳栓を付けています。もちろん、執筆中の今もです。
Loopの“Quiet”と“Experience”の違いについて書いた記事もあります。
【Loopイヤープラグ】QuietとExperienceの違いって?どっちがいい?|検証しました
私がAirPods ProでなくAirPods Maxを選んだ理由

冒頭、私は“LoopのイヤープラグとAirPods Maxを併用して生活している”とお伝えました。“AirPods Proがおすすめ”と言っておいて、何だか矛盾していると感じた人はいるかもしれません。これには理由があります。
LoopとAirPods Maxの強引な合わせ技で高い遮音性を実現した
理由は、LoopのイヤープラグとAirPods Maxは同時に使えるからです。
これまでは Loopのイヤープラグを付け、比較的煩い場所ではAirPods Proに付け替えノイズキャンセリングしつつ、音楽を流して対応してきました。
けれど、AirPods Proのノイズキャンセリングにも限界があります。加えて付け替えの手間や、付け替えの時に落としてしまうなど、面倒だなと感じる時があったんです。
AirPods Proを落とした時に壊れたり、運悪く道路側溝の排水路へ落ちてしまい、簡単に取れなかったりした経験がある人も少なからずいるでしょう。
そこで、“Loopのイヤープラグを付けたまま装着できるAirPods Maxを選びました。強引な合わせ技ですが、隣人との会話が聞き取りにくくなるレベルまで遮音性を高められます。
体感できには-40dB〜-45dB程の遮音性で、隣で話しかける妻の声が聞こえにくくなるレベルです。普段はLoopのイヤープラグで過ごし、煩い場所では首にかけておいたAirPods Maxを付けるだけ。
家事や掃除など、音がでる時は家でも同じように対応します。妻とまともに会話できないデメリットはありますが、苦手な騒音を今まで以上に低減できるようになりました。
AirPods MAXなら、着信があってもDigital Crownを1回押せば対応でき、Loopのイヤープラグをした状態で通話ができます。私自身の声はAirPods Maxに備わったマイクがあるので問題ありませんし、ボリューム調整もDigital Crownを回すだけなので簡単。
すなわち、付け替える手間から解放されたんです。
もちろん、ヘッドホンを常に持ち歩く手間が伴うものの、首にかけておくだけなので苦になりません。384.8gの重さを指摘する意見もありますが、広いキャノピーが重さを分散させる構造のため、「重いな…」と感じたことも無いです。
そもそも、私に電話で連絡をとる人は母関連(ケアマネ・施設・病院など)位で、ほぼ電話はかかってきません。妻とはLINEで連絡を取りますし、クライアントとはメールやChatWork・Zoomなどのツールで行います。
電話で連絡を取る知人…ですか? ほぼいません。
最初は寂しかったですが慣れました。“作業の邪魔をされるのが1番嫌”な私にとって、電話はストレスになるので、今位がちょうど良いです。
Loop+AirPods Max |スタバでの検証

AirPods ProとMaxのノイズキャンセリング性能を検証する際、Loopのイヤープラグ(QuietとExperience plus)も持参していました。上述した2製品の検証結果に、Loopのイヤープラグ+AirPods Maxの検証結果を合わせたのが下記です。
○ = 問題なく聞こえる(苦手な音も含む)
△ = 微かに聞こえる(内容は聞き取れない)
X = 聞き取れない・聞こえない
Loop AirPods Max | AirPods Pro | AirPods Max | |
装着したまま注文・清算はできる? | △ | ○ | ○ |
2席隣の会話が聞こえる?聞き取れる? | △ | ○ | ○ |
4席隣の会話が聞こえる?聞き取れる? | △ | △ | △ |
約10m先にいるスタッフの接客声が聞こえる? | △ | ○ | ○ |
約10m先にいるスタッフ同士の会話は聞こえる? | X | X | X |
商品を準備する物音や機械音は聞こえる? | ○ | ○ | ○ |
店内BGMは聞こえる? | X | △ | △ |
棚の扉を開ける際の開閉音は聞こえる? | ○ | ○ | ○ |
店内空調の音は聞こえる? | X | X | X |
Magic Keyboardの打鍵音は聞こえる? | X | △ | X |
Magic Mouseのクリック音は聞こえる? | X | ○ | △ |
注文時に行うスタッフとの会話は、ほぼ聞き取れなくなります。
Loopのイヤープラグは耳の内側へ隠れるように付けられます。これにプラスして、AirPods Maxのイヤークッションはとても柔らかく包み込んでくれるため、2つ合わせても痛みを感じにくいんです。
Loopの製品は、生活の邪魔にならない程度の遮音を目指し実現した素晴らしい製品です。こんな使われ方は不本意なのかもしれません。
注意!高過ぎる遮音は危険を伴う

LoopとAirPods Maxの合わせ技は凄い遮音性能だとお伝えしてきました。
けれど…「ぜひやってみて!おすすめです!」とは断言できません。危険を伴うからです。
何が危険なのか?と言うと、周囲の音が聞こえなくなるので、音による認識ができなくなります。特に、後方から近寄る歩行者はもちろん、自動車や自転車の音ですらほぼ直前まで聞こえません。
私自身、後方から近寄る自動車に反応できず、驚いた経験があります。
ウォーキングを日課にしていますが、肩を回して身体を動かしながら歩いている時も。仮に、後方から自転車や歩行者がすぐ後ろにいると気付かず行動したら、ぶつかる可能性もあり得るケースです。
なので、ウォーキング中は周囲を良く確認するように意識しつつ歩いています。
他にも、高過ぎる遮音によって、電車やバスなどのアナウンスを聞き逃すといったケースもあり得ます。
したがって、高過ぎる遮音にはデメリットもあり、不注意による事故にも繋がりかねません。
家の中だけとか、周囲の安全を良く確認した上で適度に遮音しましょう。
嫌いな音や大きな音がでる場所には近寄らない
これが1番の対策です。
まとめ
AirPods ProとAirPods Maxを比較してみた結果、個人的見解ではAirPods Proをおすすめします。
空間オーディオや音質に関してはMaxが優勢です。けれど、本命のノイズキャンセリング性能に大幅な差は無いことと、価格面に倍近い差があります。
2つのメリットは、共に優れたノイズキャンセリング性能を持ったオーディオ機器であること。イヤープラグやイヤーマフでは遮音しかできません。
「私生活に音楽は欠かせない」という人には、ぜひおすすめしたいイヤホンです。
また、“遮音”という観点からも優れた性能を発揮するので、聴覚過敏に悩む人にもおすすめできます。空間オーディオの性能に優れ、音楽を聴きながら苦手な音を低減できるメリットもあるからです。
とはいえ、高過ぎる遮音は危険を伴うケースがあることを忘れないで下さい。
今回は以上です。